オーストラリア材2・ヨークガム?の瘤

木のボールペン木の紹介

ヨークガム?の瘤

ヨークガム?のコブ

ユーカリ系の樹種で重量級かつ非常に固く密度がある瘤です。
瘤模様も面白いですが、この材は表面の白い部分も非常に面白く活かせるようなものが作りたいと思っています。
*?がついている理由は最後まで読むとわかります。

表面側

ただ、非常に固く収縮も大きいためすでに干割れが結構はいってしまっていることと、ペンにする場合はその硬さから加工が大変なことと、加工後も縮んだり割れたりするため取扱が厄介な材でもあります。

とまぁ材の傾向まで把握出来ているのは、以前ゴールドフィールドバール(以下長いのでGFB)と言う名前で紹介した材でもあるからです。

ゴールドフィールドバール(GFB)とは

一時期オーストラリア産の瘤材として流通していたゴールドフィールドバール。
知った当時は名前からして地名からとった名前なんだろうと予想はしていましたが、それ以上深く考えることもなくGFBとして扱っていました。

ところが、今回オーストラリア材の仕入れを行った際、仕入元の方はGFBという名前自体知らない様子でずっとクーラバorヨークガムと行った名前で呼んでいました。

その場ではそれ以上深く調べることも出来なかったので後日調べた所、GFBはオーストラリアのゴールドフィールズ金採掘地域で収穫されている瘤のすべての種を指す流通用の通り名とわかりました。
更に詳しい説明によると主に『Red Mallee』『 Red Coolibah』『 Brown Mallee』『 Yellow Box Burl』『 Red Gum Burl 』『 Grey Box Burl』という瘤みたいです。

クーラバとヨークガム

ヨークガムやクーラバとはなにかを自分なりに海外サイトを調べてみたところ、クーラバはEucalyptusCoolibah(ユーカリプトクーラバ)という学名の木があることがわかりました。
恐らくこの学名からユーカリ系の木でクーラバという名前となったんだと思われます。
(この時点ではヨークガムは綴りがわからず後回し。)

ただ、どうも現地買い付けの話や、オーストラリア滞在経験のある方から聞いた話だと、現地の方々はかなり いい加減 おおらかでして、ユーカリ系の似たような木を一纏めにユーカリ系の◯◯って扱かっていたり、同じような木でも生えている場所の違いで名前を変えていたりしているようです。

そして更に厄介なことに、一部杢系の木材に関しては同種でも色の違いや杢の違いで流通名が違っていたり、業者間でも名前が統一されてなかったりするため、同一樹種に流通名が複数混在してしまっており全く当てにならない状況なんです。

唯一きっちり細分化されているのは学名なんですが、これに関しては植物学者の領分となっており、立ち木や葉を見て判断するものなので、瘤杢の分別とかは完全に畑違いでわかりません…

そんなわけでクーラバと言われたものの、学名のクーラバなのか、通り名のクーラバなのか曖昧で、結局手元の現物片手に海外サイトの画像と比較しまくった結果、『YorkGum』『RedCoolibah』『BrownMallee』辺りの名前で流通している材が最も近いというところまではわかりました。
ちなみにこの段階でヨークガムの綴が判明。

上記の中ではYorkGum(ヨークガム)がかなりよく似ていましたし、以前書いたGFBのブログ記事でも『ヨークガムクーラバ』とその名前が出ていたので、一周回って戻ってきた感じです。

ヨークガムクーラバの杢板のアップ

ところが、ヨークガムについて調べていった所、ヨークガム(通り名)とクーラバ(学名?)は学名の上では明確に違う樹種だったんですね。
ヨークガムの学名は『Eucalyptus loxophleba』でクーラバは『Eucalyptus Coolibah』
ちなみに◯◯Mallee(通り名)は『Eucalyptus socialis』

もうね、全部違う種類なんですよ…ここまで調べても一向に答えが見いだせずじまいという。

結論

お手上げ状態だったので、再度仕入元の方に確認をとったのですが、上記の通り様々な理由から名前が一定ではないこと、なにより『厳密な樹種名は現地人もよくわかってなくて、深く突っ込んでもわからない。現地の人曰く、本(ブック)を当てにしてはいけない、目の前にある木をよく見て判断するしかない』とのこと、まぁそういうことなんだなって納得することにしました…

あと、ここまで樹種名に細かいの日本人くらいみたいよとも仰ってました…ははは

そんなわけで、この材がクーラバなのか、ヨークガムなのか、はたまた別の樹種なのか結局わからずじまいですが、ここは仕入元さんの言う通り、自分の目で判断し、最も近いヨークガム(通り名)で行きたいと思います。

ちなみに、オーストラリア材(特に杢物)を日本語で検索しても、当店の昔の記事がヒットするくらいで全くあてになりませんし、日本語でオーストラリアの瘤材に詳しい記事はほぼありません。
現時点ではこの記事が一番突っ込んでいる可能性すらあります。
まぁニッチ過ぎて多分誰も書いてないだけですが。
とりあえず、これ以上はお手上げなので、詳しい方おられたら教えてください。

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