ベルサイユ宮のルイ14世の玉座

日常

最近、ローズウッドを新しく仕入れたり、お客さんから色々聞かれたりと色々あって、ローズウッドを改めて調べたりしていたんですが、そういや、ベルサイユ宮のルイ14世の玉座がブラジリアンローズウッドだったっけってのを思い出し、昔ヨーロッパを一人旅していた時に行ったベルサイユ宮の写真を引っ張りだしてみました。
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アポロンの間のルイ14正の玉座
さてさて、この玉座、いったい何処にローズウッドを使っているのかというと…


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…と、写真を隅々まで見て探された方ごめんなさい。
実は写真を見ても木部は全く見えません。正確には玉座自体は銀製で、肘掛け部分が金箔を貼ったブラジリアンローズウッドなんだそうです。
(私もわからなくて色々調べていったところ肘掛け部分がローズウッドだと分かりました。)
にしても当時から超高級家具に使われていたブラジリアンローズウッドを使い、しかも金箔はっちゃう辺り、王様の椅子は凄いですね。
しかしここで一つ疑問が…玉座自体は銀製なのに『なんで肘掛けだけ木を使ったのか?』
銀で作っているのなら全部銀で作っちゃえばいいのにと思ったんですが、色々と考察した結果、直接手が触れる場所だから、金属の冷たく硬い質感をさけたんじゃないかなという結論に至りました。
(冬なんかは手に触れた時に金属だと冷たそうですしね)
また、ローズウッドを使ったのは材料としての格もありますが、湿度や温度の変化による寸法の変化が少なく、金属と合わせても問題ないことや、非常に木目が緻密で木目による凹凸が出ないため金箔を貼って金属のように見せることや、使いつづけても後から木目が浮き出てきたりしなかったためなんじゃないかと思われます。
これだけ細工がされていて豪華だと彫刻に目が行き、使い勝手は考慮されてないように思われがちですが、ちゃんと使い手(この椅子の場合は王様)に配慮し、適材適所で材料を使いわけて作られている辺り、当時の職人さん達のレベルの高さがひしひしと伝わりますね。
ってあれ、ローズウッドの話をしようと思っていたのがいつの間にか玉座を作った職人の話に…また、ローズウッドの話は後日改めてしようかと思います。

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