カーリーメイプルとシカモア

木のボールペン木の紹介

カーリーと言えば、当店の場合レギュラー品にトチの縮杢がありますが、国外に出るとカーリーメイプル(カエデの縮杢)とシカモアが最もメジャーな存在のようです。
そしてカーリーメイプルとシカモアはどちらも非常に似ていまして…


どっちがどっちかわかりますか?

おそらく写真では判断できないと思われます。また、実物を見ても全くわからない可能性があります。
というのも、どちらもムクロジ科カエデ属で品種が異なるだけなんですね。
カエデに変わりなく強度、耐久性共に高くそこそこ大きい材が取れるため、家具材、建具材、床材、造作材、楽器材、建築材、運動具材、化粧用単板等、様々な用途に利用されています。
(縮杢の場合、非常に高級なためそのほとんどが薄くスライスして突板にして、家の内装や家具の表面装飾にしたり、バイオリンの甲板やギター等の楽器材として使われています。)

ではなぜここまでちゃんと分けているのかと言うと、産地の違いが異なるためと、シカモアが一種のブランド名として通っているためです。

カーリーメイプルは主に北米産のハードメイプルの縮杢。
シカモアはヨーロッパ産のセイヨウカジカエデ。

ただ、シカモアにはかなりいろいろと複雑な事情がありまして、ざっくりと箇条書きにすると下記の通り。

・縮杢が出たものだけをシカモアと呼ぶ人がいる。
・セイヨウカジカエデの仲間をシカモアと呼ぶ場合がある。
・シカモアをグレートメープル、ヨーロピアンメープルという商品名で呼ぶ場合がある。
・学術書や専門書でも学名や説明が結構バラバラで間違っている場合がある。
別種のプラタナス(スズカケノキ)をシカモアと呼ぶ場合がある。
・学名はプラタナスに似たカエデ。
・そもそもシカモアが俗称?

正直箇条書きで書いただけで頭が痛くなってくるくらい無駄に複雑です。

こちらの方がその辺を詳しく説明されていますのでご興味があれば↓
>>~茨木市戸田材木店・セルバの木の虫ブログ~

多分探せばもっと複雑怪奇情報が出てくるかもしれませんが、つまるところ、とてもキレイな有用材で人気があるため、似たようなのを一緒くたにして『シカモア』と読んでしまっているわけです(^_^;)

また、ストラディバリウスなどの非常に高級なバイオリンの甲板に多く使われていることから他のカエデ類と差別化され、特別扱いになっているのではないかと思われます。

手前がシカモア

ほぼ同じような雰囲気ですが、シカモアの方がわずかに白いですね。また、硬さはハードメイプルやイタヤカエデの方が上で、使い込んだ際の光沢はカエデの方が出そうです。
ただ、杢の強さはシカモアの方が、よりくっきり出てるように感じます。
これは好みなになりますが、皆さんはどちらがいいですか?

ちなみに一枚目の画像は左がカーリメイプルで右がシカモアです。

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