メンテナンスオイル変更のお知らせ

木のボールペン物作り

オイル塗料を製作いただいていたアトリエベルさんですが、昨年、代表の鈴木さんが亡くなられたため、廃業されてしまいました。
アトリエベルの塗料は品質が高く、20年以上使ってきたものになりますが、新規での入手が不可能となってしまいましたので、大変残念ではありますが、新しい塗料へ切り替えて行くことにいたしました。
代表の鈴木さんには、塗装についての講演会や塗料について様々なアドバイスを頂いていたとても大切な方でした。

新しいオイル塗料探し

国内外の複数のオイル塗料を調査し、いくつかは実際に塗装テストを行いました。
どの塗料も適切に扱う分には問題ありませんでしたが、塗膜形成のために樹脂分を含む塗料が多く、拭き上げ時にベト付きやすく、メンテナンスとしてお客様が扱うには使いづらいと判断しました。
*本来樹脂分を含んでいることが当たり前なので、アトリエベルのオイルが特殊。

また、塗料ではなく植物油単品(アマニ油、エゴマ油、クルミ油、キリ油等)での使用も検討しました。匂い、乾燥時間、黄変速度(酸化)価格等ですが、匂いが強いものや、塗装後の変色が大きいもの等、中々思うようにいきませんでした。

ないなら作れば良い

一年近くあれこれと試したり、塗料の専門家の方達に相談していく中で、自作するのが良いのでは?ということに。

幸いにも、アトリエベル製オイル塗料の成分配合比については教えていただいていたので、同じ植物油を配合し、加熱撹拌することで成分だけは同じものを作ることが出来ました。

社内で数ヶ月テストしてみましたが、木のペンのメンテナンスには問題なく同じように使えました。
使用感としては、粘度が低くサラサラで、小物に薄く塗り伸ばし乾拭きで拭き上げる、お手入れには丁度良いようです。

従来のアトリエベル製に比べ、乾燥剤が入っていないので、乾くのに時間がかかり、厚塗りできないため、家具等の広い面積を塗るには向いていないように感じました。

なお、完全に同じものを作るには、大規模な設備(密閉容器による高温高圧で撹拌)、油の重合反応等の適切なタイミングや乾燥剤の使用等が必要で、何より大量に製造する外注製造となり現実的ではありませんでした。

今後について

メンテナンスオイルについてはアトリエベルベースの自社製オイルにて対応となります。

工場での木のペン制作時には、当面の間アトリエベル製のオイルを大事に使用し、新しい塗料を模索していきます。
*塗料の分野も奥が深く、まだまだ試してみたいこともあるので、少しずつ変化していくかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました