Instagramではちょいちょい紹介していました、色の着いた木のペン。
この木材の正体が記事タイトルのスタビライズドウッドになります。
スタビライズドウッド(stabilizedwood)とは、木材に樹脂を含浸させることで材を均一に硬く、湿気による影響もほとんど受けないよう強化した素材となります。
また、同時に染料を木材内部まで浸透することで、木材を様々なカラーに染めることが出来きます。
(立木染めとは似て非なるもの)
スタビライズした栃の縮み杢
写真のとおり本来白い栃の木が、ブルーやグリーンになっているのが分かるかと思います。
特にグリーンの方は真ん中で切ってみたんですが、断面を見たとおり中まで完全に染まっています。
この方法での着色は、一般的な表面のみの塗装と異なり内部まで染め上げるため、研磨・切削を行っても色等が剥げる事がありません。
木工品、特に当店木のペン等の小物類は実用品であり、もし表面に塗装を施した場合ですと使い続けていくうちに「色」が剥げていきます。またウレタン塗装等のコーティングをしてしまうと木材本来の手触りが失われます。
スタビライズドウッドは内部にまで色が浸透しているので、コーティングしなくても色が剥げてくる事なく、木材の感触を楽しめます。
実はこのスタビライズドウッド、何年か前から気になっていまして、調べていたところ真空容器(+真空ポンプ)があればなんとかなりそうだったので、時間のある時に少しづつ調べ準備を進め工房内で作れるようにしました。
(技術的なノウハウが知りたい方はご自身でお調べください。)
どんな材でもスタビライズ出来るわけではなく、元々硬く強度のある材(密度の高い材)はあまり含浸しないため変化がありません。
着色を前提にするなら色の白い材(栃や楓等)の方が発色が良いです。
また、どうしても完全に染める事ができず元の色が部分的に残ってしまうことがあり、まだまだこの辺りは研究する必要がありそうです。
(試験的に色々な材を染めてみたので、ブログにて順次ご紹介したいと思います)
通常の木材ではありえない発色と艶が特徴のスタビライズドウッドのペン。
制作本数が少ないため基本的に店頭での販売のみとなりますので、お近くまで起こしの際は是非お立ち寄りください。
また、ネットでも時々販売をしたいとは考えていますので、その際は是非!
(スタビライズドウッドのペンの特注制作はお断りさせて頂きます。)
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