およそ10年前、ほぼ屋外保管のインドローズウッドを仕入れていたのですが、あの時は軽トラに詰めるだけ積んで、残りは置いてきたことを思い出し、残りを引き取りに行ってきました。
前回の時点で保管場所があれな状態だったので、流石に移動させているのでは?と期待していたのですが、案の定前回と同じ場所で更に味わい深い佇まいに。
とりあえずひと塊を引っ張り出した状態。
日本に渡ってきたのは1970〜80年代、およそ半世紀日本の屋外でシーズニングされた結果、麻袋は破れ、巻いてあったPPバンドも切れていました。
とはいえ、さすが世界の銘木ローズウッド。この状態でも虫食いも割れもほとんどなく、使用に問題がない脅威の耐久性。
まぁ、全部大丈夫だったわけではなく、崩れて地面に落ちていたのは土に帰りつつありましたが…
この機会がラストチャンスと思い、すべて工場に持ち帰り、一つ一つタワシで砂や汚れを落としながら状態をチェック。通気の良いカゴへ移して、然るべき場所でじっくり乾かしていきます。
杢物がどうしても目を引くなか、一見すると黒く木目がわかりにくいインドローズウッドは地味に映るかもしれません。
ですが、銘木とは、特異な杢や見た目の美しさだけでなく、使い手、作り手の双方にとって扱いやすく、耐久性や材料安定性が高いことも重要な判断基準になります。
そういった意味で、こういった保管環境にも耐えうる強靭さをまざまざと見せつけてくれたこのローズウッドはまさしく銘木です。
これが一皮剥くと、特有の甘い香り、密度があり磨くと黒光りする高い質感が顔を出すんだからたまりません。
しかも、近年流通のインドローズに比べ圧倒的に木目が細かいんですよね。(ペンにしてしまうとわかりにくいのが残念ですが)
なお、前回仕入れた材もまだまだある状態なので、この材を使うことになるのは相当先になりそうです。
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